2017年2月28日火曜日

音読カフェを仕事にしよう!

この3月から音読療法協会でも、協会主催の音読カフェを定期的に開催することになりました。

これまで他団体が開催する「お母さんのための音読カフェ」通称ママカフェに音読療法士やトレーナーを派遣したり、音読トレーナーがカルチャーセンターで講座を持ったり、音読カフェを自主的に開いたり、といったことはちょくちょくあったんですが、協会が主催して定期的に開催するのは、これがはじめてかもしれません。
私も北陸の実家で月に一回のペースでやっていますが、これも自主開催で、協会主催というわけではありません。

なぜ協会主催で定期開催することになったかというと、このところ音読療法(ボイスセラピー)に興味を持ってくれる人がきゅうに増えてきたからです。
増えてきたのはいいんですが、いざ音読療法について知りたいと思っても、ウェブサイトを見るか、私の書いたブログを読むか(点在してしまっています)、あるいは音読療法の教科書である『音読療法の基礎』という本を読むかしかありませんでした。
ボイスセラピー講座を定期開催していますが、こちらは音読療法の体系のほぼ全容を知ってもらったり、体験して身につけてもらうというしっかりした目的があるので、気軽にちょいと来てもらうというわけにはいきません。

もっと気軽に音読療法に触れたり、興味があることを尋ねてみたりできるチャンスがあればいいなと思って、音読カフェを定期開催することになったのです。

音読カフェはこれまでも、他団体の主催ではありますが、「お母さんのための音読カフェ(通称ママカフェ)」という形で何年間か定期開催していました。
また私個人も、北陸の実家の居間を開いて、音読カフェを月1回くらいのペースでやっています。

個人的経験の話をすれば、音読カフェって、
「ほんとに楽しいんですよ!」

人とつながることの楽しさ、自分の能力や技術をだれかのお役に立てることのうれしさ、それを仕事としてやれることの誇りや自立性、自分のさまざまな価値が満たされて、やりがいのあるイベントだと思います。

音読カフェでは音読療法のプロセスを使って、心身の健康法や病の予防、軽減、日々の活力アップ、介護予防に役立つさまざまなことをおこないます。
またカフェという場のベースを共感的コミュニケーションで運営を心がけているので、みなさんには安心して気がかりなことを話していただいたり、お互いに聞きあったりできます。
気がかりは健康の関することだけでなく、人間関係やこころの問題なども出てきますが、音読トレーナーが共感的コミュニケーションで場を進行させるため、あたたかなつながりの時間となっています。

このような場をホールドと進行させる音読トレーナーになるには、音読療法協会の音読トレーナー養成講座を受けて、その後数回の現場経験をへて資格認定を受ける必要があります。
その前にボイスセラピー講座を受講していることも必須です。
ぜひ挑戦してみてください。
音読療法協会では、仕事として音読トレーナーや音読療法士をめざす人、音読療法の普及啓蒙活動に協力してくれる仲間を求めています。

3月開催:音読療法協会の音読カフェ(3.18)
ボイスセラピーの手法を用いつつ、お茶を飲んだり共感的に対話しながら進める心身調整健康法を実践する場を、あらたに音読療法協会主催で開きます。3月の開催は18(土)10時/31(金)10時・19時、それぞれ約2時間です。

2017年2月27日月曜日

映画:エウロパ

「シン・ゴジラ」が世評にくらべて私にはまったくヒットしなかったので、その口直しに大好物のリアル宇宙SF映画を観ました。
「2001年 宇宙の旅」以来、この手の映画は欠かさず観ることにしていて、バカアクション映画とは別ラインで「まじめに」好きな路線です。

「2001年」はその後につづくすべての宇宙SF映画に影響をあたえつづけていて、この「エウロパ」も例外ではありません。
最近のものでは「インターステラー」や「オデッセイ」「ゼロ・グラビティ」がこのラインですね。
ややはずれるけれど、接近遭遇ものというか、エイリアンものというか、「エイリアン」のシリーズや「第9地区」「コンタクト」なども大好きです。
「惑星ソラリス」もいいですね(ただしリメイクされたものではなく最初のやつ)。

「エウロパ」は2013年公開の合衆国の映画。
監督は知らない人。
「タブロイド」のセバスチャン・コルデロだそうですが、私は観てないのです。
でも、よくできていますよ。

画面が時々乱れたり、途切れたりする、記録映像が挿入されていて、地球側のチームの悲痛なインタビューや、いつどこで話しているのかわからない乗組員女性のかなり悲痛な独白、そして実際の木星の衛星エウロパに向かうミッションの過程における船内映像など、時系列がシャッフルされていて、最初はかなりわかりにくい感じがします。
しかしそのわかりにくさが、緊張感を徐々に盛りあげ、衝撃的なラストとこの映画の構造が同時に明かされて、観客はあっというのです。

はっきりいって救いのない、シビアなストーリーです。
最後の最後まで救いの期待をもって観てしまうんですが、それは裏切られます。
しかし、それがつらい感じはしません。
「未知のものの発見のためには命も惜しくない」という科学者の好奇心が、全編を貫いています。
人間てほんとにばかで、すばらしいですよね。

「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演@大阪中崎町〈創徳庵〉(3.3)
大阪(関西)では初の公演となります、沈黙の朗読と音楽瞑想のプログラム。大阪中崎町の民家をリフォームしたイベントスペース〈創徳庵〉で、3月3日(金)夜です。

2017年2月26日日曜日

新刊:『マインドフル練習帳4』(Kindle)発刊しました

新刊『マインドフル練習帳4』が、電子ブック・Kindleから発刊されました。

あたらしく発刊されたのは、「マインドフル練習帳」シリーズの第1弾『マインドフル練習帳1』(1~3月)、第2弾『マインドフル練習帳2』(4~6月)、第3弾『マインドフル練習帳3』(7~9月)につづいて、10月から12月までの毎日できるマインドフルの練習問題と水城のコメントを収録してある『マインドフル練習帳4』です。

これで「マインドフル練習帳」シリーズ全4巻・365日分が完結です。

なお、この本はKindle unlimited(読み放題)にも登録しています。
アマゾンのプライム会員は無料で読めます。

こちらからどうぞ。

2017年2月25日土曜日

映画:ワイルド・カード

2015年公開。
主演はジェイソン・ステイサム、監督はサイモン・ウェスト。
ジェイソン・ステイサムはいわずと知れたイギリスのアクション俳優であり、サイモン・ウェストもイギリスBBC出身のアクション映画監督だけれど、この映画の製作はアメリカ合衆国。
アメリカの作家ウイリアム・ゴールドマン原作で1986年に映画化されたアメリカ映画「ビッグ・ヒート」のリメイクなのだ。
私は「ビッグ・ヒート」のほうは未見。

なんやかんやいって、バカ映画にたくさん出演しているジェイソン・ステイサムという俳優がけっこう好きかも。
なんだろう、自分を重ねあわせてしまうようなところがあるのかな。
もちろんこんなマッチョじゃないけれど。

この映画では、元特殊部隊のエリート兵士だった男が、落ちぶれてラスベガスで用心棒まがいのことをやったり、だれかの得になるような小芝居を打って、なんとか生きのびている、という設定になっています。
そこへベガスで遊ぶの初めて、というおぼっちゃまみたいな男から付き添いの依頼がやってくる。
この男、詳細は明かされていないけれど、IT関連で超億万長者になっている人間らしい。
これがひとつのストーリー。

そこにからむのが、元恋人がレイプされ、病院の前に捨てられ、かろうじて命を取りとめるも、自分をレイプした男に復讐してくれと主人公に依頼してくる。
犯人はちんけなヤクザと思いきや、巨大な地下組織とつながっている男で、へたに手を出すとこちらまでやばい、ということがわかる。
それでもあえて……という展開。

最後はちょっと胸のすくようなハッピーエンドが用意されているのだが、まあご都合主義満載のバカ映画にはちがいありません。
ジェイソン・ステイサムは武器なんか持っていなくても狙った相手はかならず倒す、という必殺のすご腕という設定で、それもまあ漫画なんだけど、楽しめないことはないですね。
カジノのシーンなんかも見せ場になっているんですが、賭け事にまったく興味のない私としては、そこはちょっと退屈でした。

自分とつながるテキストライティングWS(3.11)
いまの時代こそ表現の根本である「ことば」が重要であり、私たちは自分自身を語ることばを獲得する必要があります。それを模索するワークショップを3月11日(土)に国立で6時間にわたって、じっくりとおこないます。

2017年2月24日金曜日

音読カフェ(とそれを開催できる人)を増やしたい

音読療法(ボイスセラピー)を気軽に受けられて、心身の健康の向上に役立てられる場である「音読カフェ」の開催チャンスを、今後どんどん増やしていきたいと決意しています。

音読カフェではないんですが、先日、練馬・富士見台の高齢者介護施設で「いきいき音読ケア」というボランティアワークをおこなってきました。
かれこれもう5年くらい、毎月1回のペースでつづいているワークなんですが、このところ参加の常連さんも増えてきて、みなさんととても親密な感じでつながることができ、音読療法の効果もはっきりと現れているのを感じます。

1時間くらいのワークなんですが、その時間内でもみなさんのようすがどんどん変化し、いきいきとしてきて、目が輝き、そして会話もはずんでいくのを見るのは、ワークを進行するこちらとしてもとてもやりがいのあるうれしいことです。
施設の都合で1か月に1回しかやれないのが残念ですが、数日おき、あるいはせめて1週間に1回のペースでやれれば、強力な介護予防効果があったり、病気予防に役立つのはあきらかなのです。

そこで、こういった施設だけにお任せせず、自分たちでも積極的に音読カフェという形で音読ワークを気軽に体験できる場をどんどん作っていけばいいじゃないか、と思ったしだいです。

かつて「お母さんのための音読ケア」略して「ママカフェ」という形で定期的に開催していました。
参加者にはとても喜んでいただけたんですが、託児スタッフを確保しなければならないなどの問題から、現在は中断しています。

一方、私自身は北陸の実家の居間を利用して、ご近所の知り合いに声をかけて音読カフェを始めたりしています。
こちらはとても気楽にやれるんです。
自宅の居間でいいんです。
参加費も1,000円とか1,500円とか、敷居の低い額にして、お茶とお茶菓子を途中でいただきながら、共感的なおしゃべりをはさんで、手軽な健康法を体験してもらいます。
参加者も5人とか10人でいいと思います。
本格的にやるなら、どこか施設を借りて20人とか30人とかのグループワークをやるのもいいでしょう。
行政と組んで介護予防教室にすることもできるでしょう。

そのためにも、まず必要なのは、音読カフェを主催できる音読トレーナーをもっと育成することです。

音読療法に興味を持っていただいたり、理解してもらうために、現在ボイスセラピー講座というものを月に1回開催していますが、より敷居を低くするためにも音読カフェをたくさん開催しようと思います。
しかし、音読カフェができる音読トレーナーがまだ育っていない。
音読トレーナーはボイスセラピー講座と音読トレーナー養成講座を受講し、その後レポートなど要件を満たした人に資格が授与されます。
私をふくめ、いまいる少数のメンバーでやっていくしかないですね。

というような私の「ぼやき」を読んで、私も音読トレーナーをやってみたい、音読カフェをやってみたい、介護予防教室を開いてみたい、行政にアピールして予算を引っぱり出すことに挑戦してみたい、などと思った方は、ぜひいらしてください。
大歓迎です。
音読療法の仲間を私は切に求めています。

ボイスセラピー講座@国立(2.25)
呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を、半日で学び身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。2月25日(土)10時からJR国立駅徒歩5分の会場にて開催。

ボイスセラピー講座@国立(2.27)
呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を学び、身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。2月27日(月)19時からJR国立駅徒歩5分の会場にて開催。

2017年2月23日木曜日

『マインドフル練習帳3』について

マインドフルネスの練習を毎日一題ずつできる「マインドフル練習帳」のシリーズの3巻目がアマゾンKindleからリリースされました。
この本の「まえがき」をご紹介します。

(まえがき、ここから)
――――――
 マインドフルネスの練習に役立つ練習帳の第三弾をお送りします。本書は七月から九月の三か月間、毎日練習ができるように書かれています。
 マインドフルネスの練習をみなさんにもおすすめしたい理由は、私がそれによって大変得るものが多かったからです。
 ピアニストである私にとってとくに有益だったのは、マインドフルネスの延長線上にある(と私がかんがえている)フローとゾーンを経験し、獲得したことです。
 フローというのは、簡単にいえば、なにかをやっているときに――たとえば私ならピアノを演奏しているときに――自分がやっていることに完全に集中していると同時に、そのまわりで起こっていることにも気づきつづけている状態のことをいいます。
 だれでも経験したことがあるかもしれませんが、私のフロー状態の古い記憶では、学生時代にアルバイトしていたバーや飲食店での経験です。ものすごくいそがしくなって、洗い物であったり酒の注文であったりをいそがしくがんがんこなしているんですが、同時にあちこちにいるお客さんの状況も把握していて、それらの会話も聞こえてくるという、とてもクリアな状態です。フローという文字通り、膨大な情報が自分のなかに流れこんできているけれど、それらはとどこおりなく流れていて、自分はそれをとてもクリアに客観的に見たり処理したりできているのです。
 フローがさらに深まり、密度が濃くなったとき、ゾーンという現象を経験します。
 ゾーンがよく知られているのは、トップアスリートが自分の限界を超えて記録を更新するような瞬間の状態です。完全に集中しながら同時にリラックスしていて、自分の状態とまわりの状況を同時に把握していて、自分の能力の最大限を発揮できるフェーズに進入します。
 私の場合だと、ピアノを演奏していて、完全にそれに集中していながら、お客さんの状態やまわりで起こっていることにも気づきつつ、自分ができることの限界を超えて思いがけない能力が開いていく場面に立ちあえる瞬間があります。これはめったに訪れないと思っていたんですが、マインドフルネスを日常的に練習することによって、めったにではなく、しばしば体験できる、ということを実感しています。
 だれしも一回きりの「生」を生きているわけですから、自分の命を生ききりたい、自分の能力を発揮しつくしてみたい、という思いがあるのではないでしょうか。
 もちろん、人によって能力の違いはありますし、得意不得意や向き不向きもあります。そんななかでも、限界まで、あるいは限界を超えて自分自身を生かしきりたいという思いが、私にはあります。
 そんな思いを共有できる人に、まずは毎日のマインドフルネスの練習からやってみませんか、という提案をしたいというのが、本書のねらいのひとつでもあります。
――――――
(まえがき、ここまで)

電子ブック『マインドフル練習帳3』はこちらからどうぞ。

映画:ダブル・ジョパディー

1999年公開の合衆国とカナダの合作映画。
監督はブルース・ベレスフォードというオーストラリア出身の人。
予断かもしれないけれど、オーストラリア出身と聞くと、なんとなくこの映画全体をおおっているちょっとダサい(失礼!)空気感が説明できるような気がしてしまいます。

主演はアシュレイ・ジャッド。
この映画以外にも「コレクター」「ハイ・クライムズ」などでも主演をはった有名女優ですね。
しかし、これも私の個人的な印象かもしれませんが、なんとなく「小粒」な感じがするんですよね。
いや、いいんですよ、なにも主演女優の全員が「大物」な感じじゃなきゃいけないわけじゃないんで。
美しい方ですしね。

お話は、アシュレイ・ジャッド演じるなに不自由ない人からうらやまれるような生活を送っている女性が、ある日夫殺しの罪をかぶせられて、愛する息子とも引きはなされ、投獄生活を送るはめになってしまう、そこから息子をどうやって取りもどし、復讐をはたしていくか、というものです。
ヨットでセーリングするのが大好きで、それを夫からプレゼントされます。
息子を友人に預け、夫婦ラブラブモードでセーリングに出かけるも、目がさめたら船内は血だらけになっていて、夫の姿はない、そして自分は夫殺害容疑で逮捕され、有罪判決を受けてしまう、というちょっとショッキングな話です。

獄中ではふたたび息子に会える日のことだけを念じていますが、囚人仲間の協力で事件の真相をさぐりあてます。
そしてなんと、死んだはずの夫が生きていて、しかも自分の息子や親友とのうのうと暮らしていることを知るわけです。

夫への復讐が後半のストーリーとなっているわけですが、映画のタイトルはそれにからんでいます。

夫役はブルース・グリーンウッド。
顔を見ればだれもが「ああこの人ね」とわかる有名俳優ですが、こちらもなんとなく「小粒」な印象があるのは私の偏見でしょうか。
一方、対照的に個性的な役柄でトミー・リー・ジョーンズが登場します。
さすがの存在感といっていいでしょう。
くそにくたらしい役柄ですが(最後は味方=善玉になります)。

1999年といえばまだたったの18年前でしかないんですが、どことなく古くささというか、全盛期をすぎたハリウッド臭がただよっているのは、どういうことでしょうね。
気になる人は見てみて、私のいってることを確かめてみてください。

水城ゆう音楽レッスン@世田谷東北沢(2.26)
2月26日(日)夜、ピアノ付きの音楽室で音楽レッスンをおこないます。18:00から30分単位で、7コマのレッスンを受け付けます。グループレッスンも歓迎。ピアノ、歌、即興、アレンジなど、どうぞチャレンジしてみてください。

2017年2月22日水曜日

「自分につながるテキストライティング・ワークショップ」が終了

「自分につながるテキストライティング・ワークショップ」が終了しました。
年末に「自分につながる」シリーズの5回連続講座のひとつとしておこなったものを受けて、テキストライティングに切り口を絞りこんだ半日ワークショップを初めて開催したものです。

午前10時から午後4時すぎまでの長丁場、と思いきや、あっという間に楽しい時間はすぎました。
参加者のみなさんとつながりを感じながらのクリエイティブで濃密な時間でした。

なにかを書いて自分を表現する、人に伝える、という行為は、もちろんことばを使います。
そしてことばは、社会的な記号です。
あるものごとにたいして共通に認識したり理解するために必要なツールといってもいいでしょう。
その共通記号を用いておこなう表現にオリジナリティというものが存在しうるのか。
存在するとしたら、それはどのような要素によって担保されるのか。
またそこれはどのようなアプローチで獲得できるのか。

参加のみなさんにはさまざまなテキストエチュードに挑戦してもらったんですが、そのいずれも、ことばという社会共通記号をもちいながらも、自分自身の内面と向かい合うワークになったようです。
ことばという道具は、外向きに使うこともできますが、内側を見ることにも使えるのです。
外向きに使うとき、それは社会的評価や他人からの理解、認知を予測し、計算し、たくらみながら書くことになりますが(それはしばしば失敗します)、内側を見ることに使うとき、ときに予想外の自分自身の姿があらわれたり、いきいきとした自分のニーズが見えたりすることがあります。

私のように日常的に、職業的にものを書く人間だけでなく、どなたも毎日「書く」という 行為を他人の評価ではなく自分自身と向かい合う時間としてすごすとき、なにか有意義でわくわくするものが見えてくる可能性があります。

ワークショップではテキストの機能別に分けた描写や叙述の練習、感覚記述の練習、比喩のエチュード、聞き取りのエチュード、大きなものがたりの冒頭と結末を作る練習など、いくつもの練習をしましたが、私の30年以上にわたる執筆活動で得たさまざまな知見・経験をみなさんにシェアしたり、いっしょにワークできたのが楽しかったのです。

そして、テキストで共感するということについてのトライアルもやりました。
ネットの2チャンネルでのシビアなやりとり、ツッコミを読んで、それを共感的なことばに翻訳して書き手のニーズを受け取る、という練習です。
やってみてわかったのは、これはネットでのトラブルを避ける方法として役に立つけれど、それ以上に表現するこちら側にいる自分自身を守ることにも有効だ、ということでした。
自分自身を守ることができて、トラブルをおそれる気持ちが少なくなれば、よりのびやかに、無防備に表現できるようになりますし、そのことが書き手の能力を最大限発揮することに役に立つのですか。

付き合ってくれたみなさん、ありがとう!
次回のテキストWSは3月11日(土)に開催します。
興味のある方はこちらをどうぞ。