2010年10月11日月曜日

それって始めからわかっていたことだけど

12月の名古屋ウェルバ・アクトゥス公演まで2ヶ月を切った。
公演は愛知芸術文化センター(愛知芸術劇場)の小ホールでおこなわれる。2日間で4公演、3演目の予定だ。

「Ginga - 宮澤賢治・時と地と星 - 」2公演
「沈黙の朗読 - 記憶が高速を超えるとき - 」1公演
「特殊相対性の女」1公演

全演目が私の脚本、演出、音楽である。そしてすべてに音楽演奏で出演もする。
これって、見ようによっては私のワンマンステージに見えるかもしれない。最初からわかっていたことではあるが。
もちろんそうではない。そうではないが、このようなフルパワーを要求されるような公演群を支持し、支援し、懸命に動きはじめてくれている名古屋の皆さんには、本当に感謝してもしきれない。
ここに来て、あらためて気を引きしめている。

この公演には、ゼロ年代にはいって本格的に音声表現を中心とした活動をスタートさせた私の、全エッセンスをこめたいと思っている。
ゼロ年代10年間だけ取ってみても、長くうねりくねった道がつづいている。どうしてもこの方法で伝えたい/表現したい、という方法が見えはじめたのは、2008年の終わりごろからだった。つい最近ともいえる。
朗読を「表現」というアプローチで考えたくて、現代思想や脳科学、生理学などの独学を始め、これまで朗読について論じられるときに使われなかった言語を獲得できた実感があった。身体運用技術のひとつであるアレクサンダー・テクニークや、非暴力コミュニケーションの考え方に出会ったのも大きかった。

ジャンルとフォームの解体と横断、自由な表現としての朗読、そして身体表現。これらの実践的成果としての第一歩が、昨年の名古屋「Kenji」だった。
このときにやれなかったこと、やり残したこと、そしてこれを踏まえてさらに進んでみたい道すじがあった。
今年の12月はそれらを存分に、自分の力のかぎり、追求してみたいと思っている。
そのための一歩さんを中心とする名古屋のスタッフ、出演者の皆さん、協力いただけるアーティストの皆さんとは、質の高いコネクションを持ちつづけながら、いっしょに進んでいきたい。
いうまでもないけれど、ワンマンショーをやるつもりは毛頭ないのだ。