2011年9月14日水曜日

十五夜と十六夜(いざよい)

一昨日12日が旧暦の8月15日ということで、いわゆる中秋の名月。十五夜。ツイッターのタイムラインも、夜は月の話題で埋め尽くされました。
私も見ましたが、すばらしい満月でした。
そして昨日。空を見てみると、昨日より月の出は30分くらい遅く、低い場所でしたが、やはりすばらしい満月。ツイッターではもうだれも話題にしていないのがかわいそうなほど、きれいでした。
でも、昨日の月にもちゃんと名前がついていて、「十六夜」と書いて「いざよい」と読むんですね。
古典文学に『十六夜日記』というのがあります。藤原為家の側室であった阿仏尼によって書かれた紀行日記です。もともとタイトルなどついていなかったんですが、この日記が10月16日から始まっていることから、後世、このタイトルになったそうです。
「惜しからぬ身ひとつは、やすく思ひ捨つれども、子を思ふ心の闇はなほ忍びかたく、道をかへりみる恨みはやらむかたなく、さてもなほ東の亀の鏡に写さば、曇らぬ影もや現はるゝと、せめておもひあまりて、よろづのはゞかりを忘れ、身をやうなきものになし果てゝ、ゆくりもなく、いさよふ月にさそはれ出でなむとぞ思ひなりぬる」
という冒頭の一文はどこかで読んだ気がします。教科書に載っていたのでしょうか。