2012年9月21日金曜日

セルフチェックという大事な時間

現代朗読協会のゼミや講座、ワークショップでは、始まりの一番最初に「セルフチェック」もしくは「チェックイン」と呼んでいる時間をかならず持つようにしている。
円座になった参加者にちょっと静かにしてもらい、「いまここ」の自分の状態をチェックしてもらう。
目を閉じてもいいし、閉じなくてもいい。
自分の身体の状態、呼吸、気持ち、聞こえてくる物音や感触、そういったものに意識を向ける。

私自身、こういうことは昔から苦手で、なにか気恥ずかしさを覚えるようなところがあったのだが、それはたぶん「男が自分のことをあれこれかんがえたり大事にするなんてナルシスティックでかっこわるい」というような、どこかで刷りこまれたり思いこんだりしていたことが邪魔をしていたのだろうと思う。
その思いこみを捨て、きちんと「いまここ」の自分に目を向けるようになると、いろいろなことが変わってくる。

30秒とか1分とかいうみじかい時間だが、そうやって自分をチェックしたあとは、ひとりずつそれを言葉にしてもらって、ほかの参加者と自分の状態や感じていることを共有してもらう。
そのことでその場の安心感や正直さが生まれ、そのあとのワークもうまくいきやすくなる。

一番最初にやるので、なにか事情があって遅れてしまった人は、この時間を共有することができない。
そのことで大きな支障が出ることはないにせよ、この時間を共有できていないことについては残念な気持ちになる。
つまり、私はこの時間をゼミや講座において、かなり大切な時間だと感じているのだ。
だから、参加する人はできるだけこの時間に参加できるように、遅刻しないように来てほしいな、という希望が私にはある。