2013年1月8日火曜日

下北沢〈APOLLO〉での新春即興ライブが終わった

2013年1月7日。今年最初のライブは下北沢〈APOLLO〉。
メンバーは徳久ウイリアム、臼井康浩、水城ゆう、そして朗読ゲストに野々宮卯妙。

臼井さんは名古屋在住の即興演奏家で、一度やりたいと思っていて、徳久くんが知り合いでときどき一緒にやっているということがわかったので、お願いして今回のライブをセッティングしてもらった。
〈APOLLO〉も私は初めて。

午後6時、会場入り。
〈APOLLO〉はなかなか雰囲気のあるジャズバーで、入ったところがカウンター、奥がライブスペースになっている。
広くはないが、朗読やミニライブにはちょうどいい。
私のように集客力がない人間には使いやすい。

店内にはたくさんの種類のお酒と、壁面に古い楽器がぶらさげてあったり、十字架を背負ったキリストがいたり、おもしろいのだ。
ピアノはローランドのデジタル。


すでに臼井さんが来られていて、初対面のご挨拶。
私は風邪をひきかけてちょっと発熱していて、調子はいまいちだったのだが、ライブに支障が出るほどではなかった。

徳久くんも間もなくやってきて、マイクなどのセッティング。
私は例によってMacBookを持ちこんで、デジタルピアノの音とバーチャル音源をミックスして出すことにした。
ギターの臼井さん、ヴォイスの徳久くん、朗読の野々宮なので、セッティングもそう時間はかからない。


7時半すぎ、みぞれちゃんと瀬戸さんが来てくれた。
そのあともゼミ生の植森さんや、講座生の松田くん、富田さん、珠央さんらが来てくれたし、ほかにもお客さんが3、4人はいって、客席がガラガラで寂しいという状態ではなくなってうれしかった。

8時すぎ、ファーストステージがスタート。
まず私と臼井さんのデュオからはいる。
リハーサルもなかったので、これがまったくの初音合わせ。
どんな音になるのか、わくわくしながら始まった。

これがギターなのか、どうやって音を出しているのか、というノイジーなサウンドからスタートした。
私はそれをしばらく聴いてから、おもむくままにピアノで入っていった。

フリーインプロではがっつり「会話」をしようとする人と、互いに聴き合いながら付かず離れず全体のサウンドを作ろうとする人がいるが(お互いにまったく聴かない人もいる)、臼井さんはどうやら後者のようで、私はからんだり離れたりしながら初めてのセッションを楽しんでいた。

そこへ徳久くんが、これが人の声かよ、という奇妙な音でからんできて、さらにわけのわからないサウンドになっていく。
ピアノはアコースティックピアノの内部演奏プリペアドでないかぎり、とっぴょうしもない音は出せないので、ぶっとびサウンドのふたりにどうからんでいくかは難しいところだが、それがまたおもしろい。

野々宮も朗読で加わった。
カオスっぷりがすばらしい。
お客さんにはどのように聴こえていたんだろう。
今度みぞれちゃんたちに訊いてみなければ。


ファーストの後半はデュオ演奏をやることになって、その組み合わせをくじびきで決める。
野々宮と徳久くん、野々宮と臼井さん、ふたたび野々宮と臼井さん、という組み合わせで演奏がおこなわれた。
漱石の「草枕」と、私が書いた「彼は眠らない」は、野々宮=臼井コンビでおこなわれたのだが、どちらもスリリングでおもしろく、非常にクオリティの高いパフォーマンスだと感じた。

セカンドステージでは全員によるフリーセッション。
なにも決めずに「よーいどん」ではいって、どんどん展開していく。
思ったより静かなサウンドが展開していき、最後はながいながい沈黙で終わった。
ここちよい沈黙だった。
「沈黙の朗読」の最後の沈黙の時間を思いだした。


かんがえてみれば、徳久くんともちゃんとライブをやったのはこれが初めてかもしれない。
この4人でまたやれる機会があるといいなあ。
そして名古屋ではぜひ臼井さんとやりたいものだ。