2017年6月17日土曜日

自分の内側と外側に分けて文章を書く練習

月に一回開催しているテキストライティング・ワークショップでは、参加者の顔ぶれに応じて内容が変化していきますが、今回はちょっとおもしろいワークができたので、記録として書きとどめておきます。

なにごとか起こったことやストーリーを人に伝えたいとき、なにをどのように書けばいいのか、という問題に直面します。
たいていの人は思いついたところから、あるいはインパクトのありそうな場面から、もしくは状況説明から書きはじめたりします。
その選択はなんとなくあいまいで、ある程度書いてみてから確認したり、推敲したり、書き直したりします。
明確さをもって書きはじめる人は、よほど書きなれている人でないかぎり、あまりいないのではないでしょうか。

このとき、文章を読んでもらう「読み手」が、どのように受け取るのかをちょっとかんがえておく必要があります。

読み手はその文章がどの視点から書かれているのかを無意識に受け取り、その視点からできごとなりストーリーなり場面なりを脳内で構築しながら読んでいきます。
書き手の視点で書かれていれば書き手が見たり聞いたりしたことを自分の経験として擬似的に体験しながら読みすすめます。
フィクションだったらそれはたいてい主人公の視点だったりします。

では、読み手の視点とはどのようなものか。
読み手の視点には、そのベクトルがふたつあることを理解しておくと、文章を書くための明確さに役に立ちます。

ひとつは自分から外側を見て、ものごとがどのように起こっているのかという「観察」。
もうひとつは、そのものごとが起こったときに自分がそれをどのように受け取り、どのような反応や変化が起こっているかという「観察」。

いずれにしても観察が重要で、そこには客観性が求められます。

どちらを先に書くのかによっても、文章の印象はかなり変わります。
またどちらを重視して伝えたいのかという書き手の意図も関わってきます。
いずれにしても、視点のベクトルを意識して、それぞれ分けて書く必要があります。

こうして書かれた文章はとても明確で、輪郭がはっきりしていて、読み手にも受け取りやすいものになります。
そのことはワークショップで実際にやってみて、はっきりわかることでした。

今回のワークショップでも、書いている文章がそのプロセスを経てみるみるクオリティの高いものに変化していきました。
そのことは本当にびっくりであり、また案内する私にとっても喜びでした。
あまりに効果的だったので、この方法はまた機会があれば試してみたいと思っています。

次回7月のテキストライティング・ワークショップは1日(土)の開催です。
詳細とお申し込みはこちらから。