2017年7月2日日曜日

共感的コミュニケーション(NVC)とはなにか

共感的コミュニケーションもしくはNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)といってもいいんだけど、この基本原理は非常にシンプルなものだ。

マーシャル・ローゼンバーグは、人の感情や言動は、その奥にある「ニーズ」から生まれるということをもとにNVCの体系を提唱した。
人はそれぞれ、その時々の「ニーズ」にもとづいて行動したり、感情を発露させたりしていて、言動もニーズを満たそうとしている「手段」としてあらわれる、というのだ。

人間関係において見えているのは、そこにあらわれている感情や、手段としておこなっている言動であって、その元になっているニーズは見えにくい。
しかし、人と人がつながれるとしたら、お互いにどういうニーズがあるのかを理解しあえたときだ、という。
お互いにどんなニーズがあってそのような言動をおこなっているのか、どんなニーズからそのような感情があらわれているのか、その部分を理解しあえれば、対立はなくなる、というのがNVCのめざす人間関係だ。

対立は「手段」のレベルで生まれる。
お互いに自分の手段を手放さず、執着してこだわっているかぎり、対立は解消されない。
手段のレベルから、「その手段をとろうとしているのはなんのニーズがあるからなのか」というレベルへと降りていったとき、そこには対立ではなく相互理解が生まれる。
ニーズを理解しあい、尊重しあってから、どのようにすればそのニーズを満たすことができるかという手段のレベルへと進むのだが、そのときには対立ではなく協調関係になっている。

また、感情についても、だれかが感情を発露していると、ついてそれをどうにかしたい、なぐさめたい、同情したいという態度をとってしまうのだが、そうではなくその感情がなんのニーズから生まれているのか共感的に聴きつづけることで、相手が自己共感――自分自身につながるお手伝いをすることができる。
「自分がこんな気持ちになっているのは、こういうニーズがあるからなのか」
という客観的な理解が生まれたとき、人は落ち着き、またそのニーズを満たすためにはどうすればいいのかという、実際の行動へと進むことができる。
共感的に聴く、というのは、そのお手伝いをする、ということだ。

自分自身についてもそのことは適用できる。
なんらかの感情があり、それにとらわれてしまっているとき、その奥にあるニーズにつながることによってクリアになり、行動が生まれてくる。

これら、だれかとつながるための、あるいは自分自身とつながるための、実際的なプロセスを、マーシャル・ローゼンバーグは明確に示している。
「Observation」「Feeling」「Need」「Request」というよっつのプロセスなのだが、これについてはここでは省略する。

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