2017年10月19日木曜日

福井県立病院ボランティアコンサート5周年

ほぼ3か月おきのペースでおこなっている福井県立病院エントランスホールでのソロピアノ演奏によるボランティアコンサートが、先日10月17日の回でちょうど5周年だったことがわかった。
コンサートを終えて家に帰ってきてから、そろそろ5年くらい経つんじゃないかな、いつから始めたんだっけ、と記録を調べてみたら、2012年10月が初回だったのだ。
数えたら、10月17日で21回めだった。

毎回、午後1時半から約60分、ソロピアノ演奏をやっていて、曲目は日本の童謡や唱歌、スタンダードナンバー、よく知られたメロディなど、季節の曲が多い。
自分のオリジナル曲も演奏することもある。

もともとは自分の母が肺がんで手術・入院していた病院で、そのとき、私の高校の同級生が医師として勤務していることを知り、彼とちょっとお茶でも、というのがはじまりだった。
カフェで雑談しながら、エントランスロビーを見下ろし、
「あそこにグランドピアノがあるよね。あれって時々は使われるの?」
と訊いてみた。
すると、そこでは時々、ボランティアコンサートが開かれ、歌や器楽演奏などがおこなわれるということだった。
母がお世話になっていることもあって、私も演奏したい、というのが最初だった。

かなり大きな病院で、病床数は1,000床近くと聞いたことがある。
エントランスホールも広く、吹き抜けになっていて、かなり大きな空間だ。
そこにグランドピアノが置いてあり、椅子を数十個ならべてコンサートをやるようになっている。
病院の受付がある場所なので、オーディエンスは診察に来た人、入院患者、その付き添い、見舞いに来た人、通りがかりの人、そして受付業務をしている事務の方々。
毎回、どんな人が聴いてくれるかわからないし、そのつど顔ぶれも違えば、人数もちがう。

たまに地元のメディアが事前に情報を流してくれることもあって、そういうときはわざわざ聴きに来てくれる人もいるが、たいていは演奏前後に取材され、事後に記事が出ることが多い。

うれしいことに、ここ一、二年、かならず聴きに来てくれる方が何人か出てきた。
わざわざ病院に私のコンサートの日程を問い合わせて来てくれるのだ。
本当にありがたく、うれしいことだ。

そして、通りすがりに聴いてくれた人とも、終わってからことばを交わすことがあって、それも楽しい。
先日は終わってから、5、6歳くらいの女の子がやってきて、
「ピアノ弾いてくれてありがとう」
とおじぎをしてくれた。
これはうれしかったな。
ピアノは習っていないけれど、自分で弾いて練習していて、好きなのだという。

このコンサートがあるおかげで、私のピアノ演奏も変化しているように思う。
私は即興ピアノが専門なのだが、ただ好きなように自由に弾くだけではなく、聴いてくれる人といっしょの風景のなかを散歩するような、ある種のつながりを感じながら演奏するのにも楽しみを感じるようになってきている。

この日のセットリストはつぎのとおり。

 赤とんぼ
 旅愁
 故郷の空
 紅葉
 いつも何度でも
 もののけ姫
 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
 ムーン・リバー
 蛍の光
 ふるさと

この記録映像のうち、何曲かをYouTubeにupしてあります。

 蛍の光
 赤とんぼ

明日・10月20日(金)夜には、国立〈さくらホール〉で、ダンスの矢澤実穂、朗読の野々宮卯妙と共演することになっている。
自分のピアノがどのように変化しているのか、明日はどのような音が出てくるのか、楽しみでわくわくしてしかたがない。

ダンスと朗読と音楽の公演「FLARE m3」@国立さくらホール(10.20)
「踊るように読み、語るように弾き、奏でるように舞う」